Pavement 再結成&来日(祈願)

知らなかった!
http://www.crookedrain.com/
http://www.crookedrain.com/shows/index.php
http://www.matadorrecords.com/matablog/2009/09/17/pavement-coming-to-a-town-near-you-if-you-live-near-a-big-town-in-2010/
http://www.matadorrecords.com/pavement/

90年代にロックを聞き始めた僕にとって、同時代のバンドで最も切実だったのは、Pavementだ。
フジテレビで深夜放の"BEAT U.K."で放送された"Gold Soundz"のビデオクリップを見て、翌朝高校をさぼってレコード屋に駆け込み、"Crooked Rain"を買ったことを、今でも覚えている。30秒程流れた、奇妙なホームビデオ風のビデオクリップは、ヒットチャートの金のかかったウェルメイドなクリップとは、明らかに異質でありながら、曲の素晴らしさと、ビデオクリップ自体を否定するような茶目っ気に、惹き付けられた。

浪人生活の鬱屈した気持ちを晴らすために、"Crooked Rain"のデザインを手書きでバッグに描いて予備校に通い、大学でもしばらくそのバッグを使っていたら、予備校時代にそれを見たと言って友達が出来たり、演習でも友達が出来たりした。

Pavementは、それほどセールスがあった訳ではないし、サウンドや言動(バンドとしての姿勢)に劣らず歌詞が重要だった。洋楽をBGMとして聴いている人にはさほど人気がなかったが、きちんと英語の歌詞カードを読み込んでいる人には、熱心なファンがいた。バンドメンバーを探していると、そういう人に時々出会った。

尊敬するアーティストとして、ミュージシャンではなくWilliam Faulknerを挙げていたが、同時代のバンドの卑近な歌詞のテーマに比べ、時代と切り結ぶような言葉の選び方が、欧米での人気や、ミュージシャンからの支持に繋がっていたのだと思う。


後期、特に"BRIGHTEN THE CORNERS"には、崩壊した世界に、あるいは亡びたロックに、ロックバンドとしてどう対峙するか、という意識が濃厚に反映されている。1997年に、文字通り、"FIN"という、終わりを告げる曲で幕を閉じる"BRIGHTEN THE CORNERS"は、初期の代表作として、また90年代のロックの名盤として記憶される"Crooked Rain"とともに、重要な作品だ。"I heard what you said the leaders are dead..."と歌い出す"Starlings of the Slipstream"、続いて"FIN"で終わるこのアルバムを聞いて、Pavementがキャリア最高のアルバムを作ったのだな、と深く感動した。"Amateur seasalt"が大半の「ロックバンド」から遥かに隔たった地点に辿り着いたのだ。

"FIN"

Open call for prison architects
Send The blueprints a.s.a.p
Stack the walls such that I cannot breathe
Man is breedin' forever, because of the weather I hope soon to leave from the east


No more absolutes, no more absolutes
Stick your penitentiary clothes inside the vent and run along, Leigh

Amateur seasalt gatherers colonized
They're good enough for Conrad Hilton, not good enough for my eyes
I trust you will tell me if I am making a fool of myself
Man is breedin' forever, breedin' forever, they come out and blister the sea,


1999年の"Terror Twilight"を発表し、バンドは解散した。

このアルバムのプロデューサーのNigel Godrichは、Radioheadと並走を続け、マルクマスとスコットはソロ活動を行い、マークはSonic Youthに加入した。

先行してチケットが発売された1年先のNY公演がSold Outになった。ワールドツアーが組まれた。解散から10年を経て、各地で待ち望まれているようだ。

ぜひ、オーストラリアの前に、日本にも立ち寄って欲しい。
解散後発売されたDVDは"SLOW CENTURY"というタイトルだ。
"SLOW CENTURY"さえ終わった後、何が見えるのだろうか。
他ならぬPavementには、期待をしている。