歌詞の翻訳は適当に訳したので

誤訳・意訳があるかと思いますが、
Dinosaur Jの凄まじい新曲の前ではそんなことは吹き飛びます(笑)
この曲を聞く限りだと、Dinosaurは何度目かの黄金期を迎えつつあるみたいですね。
凄いなぁ。

以前、ファズマガジンで、大抵のギター・プレイヤーは、ファズの音を怖がる。
弾くのを止めると、ノイズが発生するからだ。
でも俺は引き続けるから平気だ。
だから、君たちも弾き続けろ。というようなことを語っていた。

Blue Cheer/ブルーチアーが来日した際にSGにサインをもらったのは、
ゆらゆら帝国坂本慎太郎であるが、彼も”Keep on R'ockin'"
と言われたそうだ。

いうまでもなく、Jもブルーチアーもビッグマフ/bigmuffを踏み込んで、
大音量のギターを唸らせている。

サイケデリックとは、ドラッグをキメることでも、極彩色の服に身を包むことでもない。
ここではない彼方/彼岸へと移行する、という志向性のことである。

サイケデリックバンドが、気の遠くなるような大音量でライブを行う理由もそこにある。
彼方/彼岸へと辿りつけないのであれば、周囲の空気をすべて爆音で満たすことで、強制的に聴衆の身体を
音で覆い尽くしてやる、という凶暴な思想なのである。その時、視覚ではなく、聴覚と触覚によって、すでに
ここが先ほどまでのここではない場所へと変貌を遂げているということを経験するのである。

だから、ブルーチアーも、Dinosaur Jも、ジミ・ヘンドリックスも、マーシャルで壁を築き上げ、
ファズを踏み込んで、アンプの真空管に強大な負荷を掛け、空気を歪める音をギタリストの指と
弦の震えとで生み出すことを好むのである。

野外で行う大音量の自らのライブのことを、SKY CHURCHと呼んだジミのライブは、
音でヴードゥー教の教会を出現させていた。
彼の代表曲のひとつは、"Voodoo child"という。
自らを神の子と大観衆に呼ばせたことで、神の逆鱗に触れたのであろうか。
JIMI HENDRIX "EXPERIENCE"というバンドを率いていた彼は、27歳にして、オーバードーズで夭折してしまった。

Jは、朋友のケヴィン・シールズとともに、もう20年以上も大音量でサイケデリアを目指し続けている。
昨年復活を果たしたマイ・ブラディ・バレンタインの約20年振りの新譜の訪れも近いのではないか。
何しろ、一時は100kgを優に超していたであろう巨体を揺すらせ、つまらなそうにプライマル・スクリームのサポートとして
ギターを弾いていた彼は、昨年のフジロックでは、かつての彼のように引き締まった体で、苗場の闇夜を轟音で埋め尽くしていた。

Jのソロアルバムで、Jとケヴィンのギターが共鳴していたように、
大西洋を挟んで、アメリカのどこかと、イギリスのどこかにいるであろう二人のギターが
再び共鳴を起こすことを、僕は夢見ている。
そしてそれは、悪夢ではなく、覚醒を促し、腐りきった世界の塵を吹き飛ばしてくれるであろう
爆音が見せる正夢であるはずだ。