文芸誌を読まないことの恥ずかしさ

金曜の夜から眠気がやってこない。NHKで放送された「象徴天皇 素顔の記録」を拝見したためだろうか。番組の最後のつくしのシーンでの両陛下のお言葉には本当に感動しました。http://www.nhk.or.jp/special/onair/090410.html

あまりに目が冴えるので、「文藝春秋 2009年3月号」を拾い読み。http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/bungeishunju0903.htm
以下をざっと読んだが、とても面白かった。それ以外は興味を持てず。
・【 核心レポート 】 覇者トヨタに何が起きたのか / 井上久男
・危機こそ「改善」のチャンスだ / 張富士夫
・「良い赤字」で日本を復活させよ / 三村明夫
・雅子妃が昭和天皇に祈った日 / 友納尚子
・GDP10%減 大津波が来る 野口悠紀雄
竹中平蔵君、僕は間違えた 中谷 巌
・ビッグ3落城 廃墟の街を往く 町山智浩(映画評論家なのに・・・)
ノーベル賞、嬉しくないと言った理由(わけ) 受賞手記路上と喫茶店が書斎。僕はひたすら歩いて考える 益川敏英
オバマ演説はケネディを超えた 手嶋龍一/G・カーティス


DSで脳のトレーニングをするって? もともとそんなに中身はつまってたっけ?
アクチュアルな課題意識を持った面白い漫画がある? それは、どのくらいの密度なのか?
ビジネススキルをUPさせるノウハウの特集雑誌を買った? それは勉強熱心で。


そんなことをするよりも、たまには文芸誌に目を通しなさい。
あなたよりもずっと熱心にその問題に取り組んでいる書き手たちが、新聞よりもぐっと踏み込んで興味深い記事をまとめてくれています。


久しぶりに文芸誌を読むと、これを読まずにスーツを着て社会人面していた会社員時代が、改めて恥ずかしくなった。
きちんと働いて生活費を稼ぐことは大事だ。
知っておくべき事柄について、把握しておくことは、それに劣らず重要だ。
社会人として。


この恥ずかしさを忘れないためにも、きちんと書いて残しておこう。


それから、以前、新潮 2008年9月号について、つまらないと書きましたが、訂正。『学問』、『このあいだ東京でね』、『日本語が亡びるとき』以外はつまらない小説・記事ばかりに思え、それ以上読む気が失せたのだ。
しかし、『探偵の物語(クリティック)2008——平野啓一郎『決壊』をめぐって/前田 塁』は、最近読んだ評論の中で抜群に良かった。
去年の夏の文芸誌を、今更後追いする恥ずかしさも、忘れないでおこう。