Play fucking loud!

今日のアメトーークは面白かったですね。
今、テレビをオンタイムで見させるためには、ラジオ番組のような工夫が必要なのかも知れない。
芸人が頭を絞ってトークする、先の見えないワクワクしたスリリングさを生み出す巧みな設定。それを共有したいと思わせるかどうか。僕は展開を楽しみにしているので、大抵この番組はオンタイムで見ます。バカバカしくて無茶な設定の方が、毎回同じ缶詰しか出て来ないネタ番組よりよっぽど面白いし、一度ファンになったらなかなか離れないと思うけど。モヤモヤさま〜ずのDVDが売れているのも、ラジオ的なゆるさと好ましさが貴重な番組だからではないかと、個人的には思っている。

さて、引っ越しに向けて荷物を着々と片付けているが、雑誌をスクラップしていると、やはりギターマガジンの記事を残すことが圧倒的に多い。 ロックなんて、ギターやエフェクターを買うだけで曲が出来るようないかがわしい単純なもんなんだから、構成要素としての機材や曲の構造の分析をしたり、ミュージシャンに質問しないと、本質が見えてこない。ロッキング・オンスヌーザーみたいなクソ妄想雑誌は、それに加えて教養も歌詞の読解能力もないので、救いようがない(笑)。まぁ、大学に入ってからは、バカによるバカのための雑誌の類いは見切りをつけたので、かつての路線が続いているのかすらもはや分からないんだけど。どうでもいいや。

さて、2007年11月号のギターマガジンでは、「エレクトリックへ傾倒したボブ・ディラン」という巻頭特集を切り抜いた。
素晴らしい記事なのだが、なかでもロビー・ロバートソンの発言には痺れた。

のちにザ・バンドと名前を変えるホークスは、ロカビリーのアーティストであるロニー・ホーキンズとともにアメリカ〜カナダ圏の厳しいツアーを経験してきた強者であり、その屈強なサウンドは危険でさえあった。

"俺たちは、いわば軌道の反対側から来たバンドだからね"とはロバートソンの言葉だ。"ビートルズの登場だって、俺たちにとっては何の意味もなかった。まあ、今までより多少髪が長いかな、といった程度だよ。フォーク・ミュージックでコーヒーハウスが盛り上がっていた頃、俺たちは街でもっとも危険じみたバーにいた。だから俺たちはボブ・ディランの音楽なんて真剣に聴いてこなかった。それまでの俺にはあんな長い歌に主張をくどくど乗せるタイプのシンガーなんて馴染みがなかったからね。しかし、いざ話してみたら、音楽には若干の暴力性とダイナミズムが必須だ、という意見で俺は彼と意気投合したよ。極限まで抑えたサウンドから爆発にいたる、という方法論が、彼の中のスイッチをオンにした。だから、単にフォーク・ミュージックを電化することだけでは不十分だったんだよ。もっと凶暴な要素が必要だった。"

・・・"あのツアーに同行していた連中が、のちのザ・バンドだ。俺たちは一致団結して、ライオンの口の中に頭を突っ込んだ"とディランが回想する。"俺は一緒に矢面に立ってくれたあの連中に感服したよ。彼らは目的を果たそうとする俺を援護射撃してくれる勇敢な騎士だった"

十中八九、ロビー・ロバートソンによって吐き捨てられた(絶対声がディランじゃないので)"Play fucking loud!"は、ロック史上最もかっこいい掛声だ。"Play fucking loud!"も、ディランの話のことも、何の事か分からないという自称・ロック好きの奴がいたら、相当ヤバいぞ。クラッシック音楽が好きなんですが、ところでベートーベンって誰ですか? あ、分かった! 画家? といわれたら、「バカが!」と怒鳴られて当然でしょう? 微妙に韻を外してるけど。

まぁ、僕は、ご丁寧にこんなことを書いている時点で、坊や、それは海じゃないよ。水たまりっていって、全然違うんだよ。今度、連れて行ってもらってごらん。すっごく大きいから。っていう派ですから。

はい、これ。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%9C%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A9%E3%83%B3/dp/B00005G98M/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1240504499&sr=1-1

内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
これはスゴイ!!長らく発売が待たれていたボブ・ディランの歴史的パフォーマンスがついに登場した。66年5月17日、マンチェスターのフリー・トレード・センターでのライヴを2枚組に完全収録。前半がアコースティック・セット、後半がホークス(後のザ・バンド)を従えてのエレクトリック・セットという 2部構成で行なわれた当日のライヴは、名作『ブロンド・オン・ブロンド』発売前後に行なわれたツアーであり、フォークからエレクトリックヘの重要な転換期の貴重な記録でもある。そんな時期独特の緊張感が実感できるのがエレクトリック・セットの後半部分。「やせっぽちのバラッド」を歌い終わったディランと聴衆との激しいやり取り。そしてラストの「ライク・ア・ローリング・ストーン」のイントロが流れ、ディランが最初の一節を激しく歌い出す瞬間のあのスリル! ロックが最も時代と共振していた時期の貴重なドキュメントだ。 (木村ユタカ) --- 1998年11月号

悪い事言わないから、週末、レコード屋に駆け込みなさい。
僕はその間に、10年振りの一人暮らしのための準備を進めておきます。また小田急線沿線に住むことになりそうだけど。