今日は発見の多い日だった。

1.銀座に用事があったので、坂倉準三展に寄ろうと思った。
http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/exhibition/09/090704/index.html
最近は暑過ぎることもあり、もの凄い立ちクライマーだ。昨日など、ほぼ半日、部屋の片付けをしている間、立っても座ってもくらくらし続けてかなり困った。

このナショナル本社ビル一帯の「汐留」は、ゼネコン各社が意思疎通をはからず、好き勝手に振る舞った上、日本の車線が左側通行であることすら知らずに設計した某海外建築家「監修」の恩恵で、車の乗り付けにすら不便する醜悪な場なので、少しはまともな思考回路と感覚を持つ人からは、六本木ヒルズと同等に、可能な限り避けるべきものとして認識されていることは、我が輩ですらよく承知している。

しかしながら、この旧ナショナル現パナソニック本社ビルの4階には美術館があり、キュレーターが優秀なのか、しばしばよい企画展を開催するので、とても困る。

だいたい、4階の入り口のすぐ隣には、社員用の自動改札口があるので、警備員が、お疲れさまです、と社員証をぶら下げた社員たちに声をかけるのを聞きながら、観客は入場しなければならない。そんな美術館は、ここ以外にあるのだろうか。3階では暮らしをデザインするだかなんだかのパナソニック製品展示会場があるのだが、人様の暮らしの前に、まずは自分の所のビルの改築をしようという気はないのだろうか。

嫌だなぁ、かったるいなぁ、と思い、手前のコンビニでアイスを買って、鉄道広場で食べたあと、案の定ゴミ箱が見当たらず(結局帰る時に裏側に一つだけ見つけた)、最悪なのはビルだけでなく、広場もか、と思い知らされたあと、のろのろと4階まで上がって行ったら、月曜日が定休日だそうな。

定休日を確認しておかないと、わざわざ出掛けて行ったときのダメージは大きいですね。
それにしても、新宿西口広場や東京日仏学院など、半世紀近くを経た現在も使われ続けている建築物を設計した極めて聡明であった坂倉準三の展覧会を、都内有数の悲惨な場である汐留に見に行かなければならないというのは、とんだ皮肉に違いない。

八幡様の隣の美術館(言うまでもなく坂倉作)でも企画展を開催しているようなので、そっちだけにしようか。


2.がっかりして、余計にくらくらしながら銀座線の乗り場へ歩きながら、ふと裏番になる方法を思いついた。

男子中学生に属していたことはあったが、女子中学生であった経験はないので、その序列の論理は分からないまま中学校を卒業してしまった。おまけに僕は、変人である、つむじが2個ある、廊下で踊る、テニス部で逆回転サーブを開発して部員に伝授しようと朝練まで行った挙げ句自分以外が習得出来ないことに逆切れする、成績が良いのに授業を妨害する(特に強烈に頭の回路が悪かった国語教師)、塾でも寝言を言って授業を止める、「館なラブで韻を踏むなんて危ないデカの見過ぎじゃない?」となど進言をしてミスチル好きの人たちに煙たがられる、など何重にも男子中学生としての序列の論理から排除されてしまい、というか小学校から排除街道を徐行運転して現在に至という感じなので、相互序列の激しい女子中学生の間で、「やっぱ○○さんはやるわよね!」といった尊敬を受ける術など考えもしなかったのだが、ぱっと閃いた。

こういう暑いときにも、中学校は校庭や体育館で集会を行う。運動会の練習、運動部の表彰、夏休みに入る前の注意事項など、いろいろと名目はあるのだが、先生というのは、およそ余計なことばかり言って、いい加減にしろとこの焼きそば野郎!などと生徒から熱の籠った視線を浴びていることに気がつかない。

だからそういうときに、先生の話を中断させ、集会を終わらせることが出来れば、裏番は約束されたも同然に違いない。

そこで、立ちクライマーの登場だ。「ひっ」とか弱く口走って、振り返った後はすでに本人はしゃがんでしまっており、貧血を起こしたのは誰だ、などと言われるパターンは良くあるのでダメだ。

最初の3秒くらい、頭をがくがくと振って、よろよろと列から脱走し、話している先生や他の教員の注目を充分に集め、駆け寄った教員の腕に支えられながら、「もうダメですわ。耐えたんですけど、長過ぎて・・・」と言って白目をむく。

話をしている先生以外のその場にいる生徒・教員の我慢の限界手前の頃合いに、これを毎回発動できると、失神の○○先輩と呼ばれ、「あの人を怒らせたらやばいわよ。白目じゃ済まないわよ。」と恐れられるだろう。

Pavementの金言に、"Don't lose your graceful tone"とあるように、あくまで優雅に、である。

そして、集会のあとのつまらない授業を1時間くらい保健室で寝て合法的にさぼり、保健室の先生から栄養補給の名目でオロナミンCを2本をせしめて飲んで教室に帰還すれば、ベストである。

無論、美少女で性格も良くなければ反感を買うだけなので、注意が必要だ。


3.Jimi Hendrixが表紙ということで、発売が待ち遠しかったギターマガジン。やはり今月も面白い。(Peter Barakanに従って外国人の名前はなるべく外国語表記を心がけている)
http://www.rittor-music.co.jp/hp/gm/


4.マジックリンを指板に塗って、歯ブラシで3分こすると、汚れがもの凄く落ちる!!!凄いぞ!!!みんなレモンオイルとかオレンジオイルを使ってるのに!!!(P.253)


5.BSM RPA Majorスペシャル・ブースター(リッチーブラックモア・プリアンプ・ゲインアップモデル)「ドイツ発のBSMから、リッチー・ブラックモアサウンドを再現するために開発されたスペシャル・ブースター、RPAをさらにゲイン・アップさせたモデル、RPA Majorが発表された。出力レベルが高く、エレクトロニカCMOSスイッチを搭載したエフェクターを破壊してしまうこともあるため、真空管アンプの直前への接続が推奨されるほどの強力なパワーを持った一品(逸品?)。価格は102,900円。」(P.255)
http://www.electroharmonix.co.jp/bsm/rpamajor.htm

先に、P.259のMARSHALL HAZE MHZ40C 89,250円や、広告のORANGE Tiny Terror Combo 105,000円を見ていたので爆笑した。他のエフェクターを壊すようなエフェクターを開発して、10万円で売りに出すとは、流石エレハモ!
サイトトップのザック・ワイルドの写真にも笑った。http://www.electroharmonix.co.jp/

過激上等のエレハモを好きじゃないエレキギター弾きはいないでしょう!


6.丸の内線で爆笑してたら、変な目で見られた気がするが、それはさておき、ちらほら評判を聞く『私は猫ストーカー』へ。月曜日はメンズデーなるものらしく、1,000円で入場出来た。http://nekostalker.jp/

月曜日はメンズデーだったのか。ずっと知らなかった・・・。


7.場内は、メンズデーというより、ダメンズデー+おばさんデー+思わぬ強敵たちに苦戦する学生カップルデーという感じ。7割くらい埋まっていたか。噂の元彼との電話のシーンや町の徘徊シーンも良かったのだが、サイレントでもいいなぁと思う箇所がちらほらあったように思えた。原作は、以前に読んでいたので、作者のアニメがふんだんに使われているところはとても良かった。ただ、『EUREKA』以来、久しぶりに目にした宮崎学が、猫のまねをしてキャメラをことこと揺らすたむらまさきを前に、猫の気をひこうと枯れ葉をかさかさ触っているのは、そのシーンが終わったあと二人で笑ってしまっただろうなぁと勝手に思った。


8.大家さん役がサザエさんのフネの声優の麻生美代子と知り、調べてみたら、ご病気らしい。大丈夫でしょうか?
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/television/266570/


9.映画で泣くことは少ないのだが、笑うことは多い。しかも、人と全然違うところで爆笑してしまう傾向があるので、この映画でも、本屋内での夫婦喧嘩などでも笑ってしまう。でも面白いと思うんだけどなぁ。
ただ、みんなも笑っていた、坊さんが星野真里を連れ回すシーンは、笑い終わったあと、ちょっと背筋が寒くなった。

僕は幼稚園の頃は、何故か七夕の短冊に、マラソン選手になりたいと書いたお子さんだったのだが、10歳くらいまでは、今度はお坊さんになりたかった。その後、小学校卒業くらいまでは宇宙飛行士志望に変わったのだが、なぜか部活は剣道部だった。

猫好き・専門家でないのに専門家面して恥をかく・人を連れ回す・騒がしいと、あのお坊さんと共通要素が備わっているので、もしあのまま、お坊さん志望だったら、人ごとではなかったと思い、冷や汗をかいた。

帰りの電車で、お坊さん、宇宙飛行士、剣士と、小学校の頃に憧れていたものを思い返して、ふと気がついたのだが、頭が丸いのが良かったのだろうか。

そして、最近自転車を始めたのも、実は青いヘルメットを被りたかったなのか?

いろいろと思うところがあった、実り多い半日だった。
妄想ではないといいが。