ゆらゆら帝国解散 

ゆらゆら帝国が解散した。
http://www.yurayurateikoku.com/


ゆらゆら帝国は、結成当初から「日本語の響きとビート感を活かした日本独自のロックを追求する」という変らぬコンセプトを基に活動を続けてきました。
同時に、アルバムごとに過去のイメージを払拭し、更新し続けることを自らに課し、時にはバンド形態すらも壊すことによって、常に自分達の演奏に向かう新鮮 な気持ちや、緊張感を保ってきました。


日本語や日本という言語的地理的ロックにとってのハンデを自覚しつつ、バンドの表現領域を更新し続けてきた数少ないバンドとして、また時代に逆行するかのように、アナログ機材を駆使しつつ出音の質やその音をいかに録音するかということにも挑戦し続けてきたバンドとして、90年代以降の日本を代表するロックバンドのひとつの頂であり続けたといえるのではないかと思う。



丘を越えて 行こうぜ子供達
いやなことは なにもかも忘れて
悲鳴を上げて 走るこの車で
出かけようぜ なにもかも忘れて


魔法は一度 解けたら二度と
かかりはしない わかっているから
子供はそれが 終わらぬように
遊び続ける 走るこの車で

(EVIL CAR)

1998年のメジャー・ファースト・アルバムに接し、サウンドやルックスから醸し出される60〜70年代風の「いわゆるロック的な佇まい」と、ロックの終わり、そして時代の終焉に極めて自覚的な有り様とが難なく同居していることに驚いた向きは少なくなかっただろう。

サイケデリアとは、彼方を目指す志向性だ。彼らにとってそれは、これまでのロック、そしてその恩恵で育った現時点までの自分たちからの逸脱であり、「更新し続けることを自らに課」すことだったのではないか。
彼らは週2度、必ずスタジオで音を合わせていたという。西東京の町で、「魔法」はかかり続けていたはずだが、それが消える前に、「発展的解散」を決意したということだろうか。キャリアを総括するライブDVDと、メンバーの今後の活動を期待したい。