行きたかった横浜

『建築を読む—アーバン・ランドスケープTokyo‐Yokohama』/青土社 /梅本洋一

この本は発売された時に買って以来、何度か読み返しているのだが、その度に横浜を歩きたくなる。
僕は30歳にして15回くらい引っ越しをしているので、故郷もへったくれもないのだが、
一応、神奈川県の在住期間が最も長く、本籍も未だに神奈川県相模原にある。
だが、横浜は2、3度しか訪れたことがない。
苦手な場所の筆頭である。
だが、もうそろそろ行ってもいいかと思ってきているので、気持ちを整理するためにも
ポイントを書き出してみよう。

■苦手なところ
・いくつかの横浜出身者・在住者の文を読むと、かつての横浜の名残がバブル期以降の再開発により
かなりの部分消えてしまっているようだ。東京は、とうの昔に壊滅しているので半ば諦めているが、
横浜は「名残」が消えたのが、僕の生きている期間に起きたようなので悔しい。
矢作俊彦の小説やエッセイの匂いの「横浜」や、梅本先生の記憶のなかの「横浜」の、せめて「名残」
を見てみたかった。だから、今の横浜はあまり見たくない。

・都市と観光地が混じっているので、浮ついた雰囲気が漂っている。
その結果、観光者向けの部分と在住者向けの部分の区別がつきにくい。
例えば、ご飯を食べようと思っても、やたら物価が高かったり、評判の店は行列で入れなかったり。
新宿や渋谷の場合は、紀伊国屋に行く、映画館に行くと目的を割り切って行動出来るし、
お登りさんが来ないそこそ旨い店も見つけやすい。
(そもそも、今更新宿、渋谷観光に来る人は少ないのでは?)
観光者向けのところは、金を落とさなければ楽しめないシステムになっているところが多いし、
そもそもそんなところにはあまり興味がない。もっと落ち着いた風景が見たい。

・上記2点を考慮すると、観光地図に、手書きで古い建築とか、かつて○○があった場所などを
書き入れて準備する必要がある。観光地を歩く時にも、観光者向けスポットに組み込まれないように
プランを立てる必要があって、ちと面倒。

・やや遠い。多分1時間くらいかかる。行ったら行ったで絶対混んでるし。平日でもわさわさしてそう。

■気になるところ
・「名残」の残滓。日本大通とかまだ残っている古い建築とか。神奈川県庁などはまだ残っているのか?

・「あとのまつり」のロケ地で日本大通が映っていたようなので、行ってみたくなった。

・元々、港町は好きだ。将来も海に近いところに住みたい。

・梅本先生の本の発売時に、勇んで「るるぶ横浜」を買ってしまったが、
そうはいってもやはりおいしそうな食べ物がある。
梅蘭焼きそばとか酸辣湯とか、小龍包とか杏仁豆腐ソフトクリームとか。
2、3000円くらいで足りるのかなぁ。

う〜ん。
こう考えると行きたいような気になってくるけど、春は東京移住したての人たちで混んでそうだなぁ。

こういう時、嫁さんが外国人だったらいいのになぁと思います。
日本人の彼女だといろいろ気をついますが、外国人でしかも嫁さんとなれば、
「イッタコトナイカラゴ案内シナサーイ!」と言われて、はいはい分かりましたよ
といいつつ自分も楽しめそうだし。お金も出してくれそうだし。翌月の小遣いからさっ引かれそうだけど。
英語とフランス語出来る人がいいな。勉強になるから。
どっかに建築留学しに来たかわいいフランス人いないかなぁ。

と哀しい妄想で逃げ回ってないで、書き物と勉強とギターの練習に戻らねば・・・。